ピル/アフターピル

避妊用低用量ピル(OC)/
生理痛用 低用量ピル(LEP)

避妊用低用量ピル(OC)/生理痛用 低用量ピル(LEP)低用量ピルは、避妊目的で飲む保険適応外のピル(OC)と、子宮内膜症や月経困難症の治療を
するために飲む保険適応のピル(LEP)の2種類があります。
LEPも避妊効果はありますが、日本では避妊目的での保険適応はありません。

避妊用低用量ピル(OC)について

避妊用低用量ピルとは経口避妊薬の一つで、女性ホルモン薬です。
避妊効果がある最低用量にすることで副作用が起こりにくくなっています。
きちんと服用すると確実で安全な避妊ができるとともに、月経周期が整いますので、
月経を当てたくない日の大切な予定のスケジュールなどが立てやすくなります。
また、月経量が少なくなる、月経痛が改善されるなどのメリットがあります。

月経痛用低用量ピル(LEP)について

月経痛用低用量ピルとは、女性ホルモンであるプロゲスチンとエストロゲンが配合されたお薬です。
OCと同じ成分が含まれていますが、日本では治療薬として、OCとは違うものとして取り扱います。
子宮内膜症や月経困難症を治すために服用する際は保険適応で処方できます。

低用量ピルの仕組み

  1. 排卵を抑える
    黄体ホルモン(プロゲスチン)と卵巣刺激ホルモンの分泌が抑制され排卵を抑えます。 
  2. 子宮内膜の増殖を抑える
    子宮内膜が厚くなるのを防ぎ、着床しにくい状態にします。
  3. 精子が子宮内に入りにくくする
    子宮頸管の粘液を変化させ、精子が子宮内に入りにくくします。

内服によってこのような状態を作るため、内服を中断すれば妊娠は可能です。

低用量ピルの効果

など、たくさんのメリットがあります!

副作用

低用量ピルはメリットがたくさんありますが、全く副作用がない訳ではありません。
最も怖い副作用は血栓症のリスクが上がることです。その他には不正出血、吐き気、偏頭痛、イライラなどがあります。
まずは医師に指示された量・方法を守って内服していただくことが重要ですが、もしピルを服用中に次のようなことがあれば、
服用をすぐにやめて医療機関を受診してください。

月経移動ピル(中用量ピル)

月経をずらす方法には、次の月経を早めるか、遅らせるかの2種類があります。
いずれの場合でも中用量ピルを服用することで月経時期を調節できます。

次回の月経を早めたい場合

  • 中用量ピルを、月経が始まった日から5日以内に服用開始して最低10日間続けます。
  • 服用終了してから2〜4日後に出血するので、月経を約7〜10日早められます。

メリット

試験や旅行などで月経を起こしたくない時にお薬を飲まずに済む。

デメリット

お薬を飲んでいる時に少量の出血が続くことがある。

次回の月経を遅らせたい場合

  • 月経がくる予定日の5日前から月経を遅らせる日までお薬を服用し続けます。
  • 服用終了してから2〜4日後に出血します。排卵日より後に飲むので妊娠してないことが条件です。

メリット

きちんと服用すれば、ほぼ100%月経が遅れる。

デメリット

月経をずらしたい時期にも(大切な予定がある時期)にも内服を続けるので、その時期に薬の副作用が出ることがある。

注意点

  • 24時間ごとに、1回1錠を飲む。
    ①飲み忘れたら、その日に気付いた時に服用してください。次の日からは予定通りに服用してください。
    ②1日飲み忘れて次の日に気付いたら、 前日分と一緒に2錠服用し、次の日からは予定通りに飲んでください。
    ③2日以上飲み忘れると効果がなくなります。
  • ピルの副作用として、吐き気、乳房痛、頭痛などが起こる場合があります。
    • 片頭痛、急な視力低下、血栓症の初期症状(むくみ、めまい、足の痛み、意識障害など)、発疹などのアレルギー症状、
      何度も起きるひどい頭痛などがあればお薬を中断してください。
      また、以下のお薬を飲んでいる方は効果が弱くなります。
      血糖降下薬(ビグアナイド系製剤、スルフォルニル尿素系製剤、インスリン製剤)、バルビツール酸系製剤、
      グリセオフルビン、リファンピシン、ヒダントイン系製剤
    • 肝臓が悪い、血栓症になったことがある、タバコをよく吸う、妊娠しているかもしれない方は飲めません。

    アフターピルについて

    妊娠を考えていない方が避妊せずにセックスをしてしまった、途中でコンドームが破けてしまったなど、避妊に失敗してしまった場合に、
    妊娠を予防する目的で使用するお薬です。
    黄体ホルモンを成分としたお薬(レボノルゲストレル)で、性交渉後72時間以内に、できるだけ速やかに内服することで高い避妊効果(90%以上)が
    得られると言われています。

    アフターピルの処方はすぐにお問い合わせください

    診察

    アフターピルの効果があるのは、避妊に失敗してしまった後の72時間に限られます。
    しかも内服は早ければ早いほど効果は高いとされますので、妊娠を希望せずに次のようなことがあった場合はすぐにお問い合わせください。

    • 避妊せずに性行為をした
    • コンドームが外れた、破けた
    • 排卵日頃に性交し、妊娠が不安
    • 経口避妊薬を飲み忘れた
    • 腟外射精など、間違った避妊法で行為をした

    腟外射精は正しい避妊ではなく、妊娠率は約2割と高いです。
    もし腟外射精をした時には、避妊しなかった時と同じようにアフターピルを飲むのがお勧めです。

    アフターピルを飲む時の注意点

    • 行為後72時間以内に必ず飲むようにしてください。早く内服すれば避妊できる確率が高くなります。
      (しかしながらアフターピルは、100%確実に避妊ができる薬ではありません。)
    • 自己判断で内服量を増やすのは絶対にしないでください。
    • 妊娠初期の不正出血と月経予定日の出血とを確実に区別することはできません。
    • 内服後から次の月経が来るまでは性交渉によって妊娠する可能性があります。
      内服後のセックスはコンドーム等を使用し必ず避妊をしましょう。
    • 月経予定日を7日間過ぎても月経がこない時は妊娠の可能性がありますので、妊娠検査薬でチェックしてください。
    • アフターピルの効果があったかどうかは内服後すぐにはわかりません。
      内服3週間後に妊娠検査薬を使ってチェックされることをお勧めします。

    飲んだ後の経過

    • 排卵状況や生理予定日により変化はありますが、次の月経開始まで、内服後早くて3日遅くても次回の月経までに
      月経のような出血が見られます。
    • 月経予定日より1週間経っても月経のような出血がない時は、市販の妊娠検査薬で調べるか、一度当院にご相談してください。
    • 妊娠初期の不正出血が月経予定日頃に起こることもあります。
    • アフターピルを飲んでも、次の月経が来るまでの間は、新たな性行為で妊娠することがあります。
      アフターピルを内服後次の月経が来るまでは、性交渉を控えるかコンドームを使って正しい避妊をしましょう。

    アフターピルの副作用

    吐き気、肌荒れ、少量の出血、乳房の張り、倦怠感、胃腸の不調など

    ピル・アフターピルの費用

    中用量ピル(月経移動 プラノバール) 4,000円
    低用量ピル(マーベロン・トリキュラー) 3,000円
    アフターピル(レボノルゲストレル) 9,000円

    ※自費診療の場合、以下の料金が別途かかります。
    自費初診料 3,000円(税込)
    自費再診料 1,000円(税込)